2014年4月30日水曜日

御蔵島、宿でまったり、おじさんと飲めて楽しかった編。

一夜明けて、もちろんゲロゲロ船酔いは治りました~っ。しかぁ~しっ、今日の天気予報は南風が強くて海は荒れる予報。昨日ゲロゲロ、ドルフィンスイムだけで寂しい私達は「御蔵島の港は島の北側にあるっ。あわよくば、島の風影にあたる港の前だけでも行けるのでは?」と、淡い期待をしていました。可能ならドルフィンスイムに行きたいっ。判断はK船長任せですがっ!


朝ごはんを食べてると海ガイドのTちゃんが来ましたっ。昨日の内にK船長から『海に行くか行かないかはお客さん次第』って言われてるそうです。行けば行けるって事?確かに宿の部屋から海を見ると遠くはウサギ飛んでて(白波が立ってて)風が強そうだけど、島に近い側はウサギ飛んでないっ。すっげー悩む。返事を決めかねながら、朝ごはん。

朝ごはんを食べながら宿のおじさんとガイドのTちゃんの会話が聞こえちゃった。
Tちゃん『行くかもしれないなら準備しておかなくっちゃ!急に行く事になっても間に合わないからっ!』
おじさん『この海じゃ無理だよっ。行かないよ!』
Tちゃん『でも~っ』

大変だっ。私達が決めないとっ!Tちゃんがどうして良いか判らないんだっ。露美、宿のおじさんおばさんのお部屋に顔を出して
「行かないっ。海が悪いなら行かない。」と伝えました。
「それで良いよね?Rちゃん?」と目の前で事後承諾~(^^;。

後からK船長も来て『港の前だけなら行けそうだけど、行けるのが狭い範囲だからイルカに会えるか判らない。』と言いました。もう心を決めていた私達、「無理をしてまで行かなくて良いです~。」←語尾は微妙に悩んでる感じで。言い切れなかった。弱っ(^^;;;

何はともあれ今日は停滞日と決まりました。雨だし。山も行けない。島の北側にある里はそうでもないけど、きっとエビネ公園がある南側とかは既に強風でしょう。里の周りをお散歩だな~。幸い、GW中とは言え今日は4/30(水)平日です。いつも土日に来ると閉まってる御蔵島農協が空いています。他のお土産屋さんでは買えないお土産が買えます。ツゲや島桑製品の木目が美しいのは農協じゃないと買えないの。

そうそう、朝ごはんの食器を下げた時、今夜のおかずが居ましたっ。宿のおじさんが、刺し網で獲ったイセエビっ!港の海のカゴに入れてあったんですって~っ♪おじさん、ありがとう!


午前中はカッパ着てお出かけしました。
 

これは農協で買った島桑のヘラ980円。めっちゃくちゃ木目が美しいでしょ~っ。木の宝石みたいでしょ~っ♪

農協で、これともう一本の木目が美しいヘラを手にしたRちゃん。横で「わぁ~、どっちか欲しい。出来ればこっち~。」と、のたまう露美。←尊大。

Rちゃん、何気に売ってる雑多な中から、こう言う素敵なのを見つけるのが上手です~。

どっちを買うのかな~と見てる露美を尻目に、Rちゃん、2本とも持ってレジへ向かいましたっ。「えーっ、両方買うの~っ?1本で良いじゃーんっ」と責める露美。←だからRちゃんが見つけたんだってヾ(^∇^;)。はじめはギャグかな?と思っていましたが、Rちゃん2本とも買っちゃった!

えー!それじゃ、残りの余り木目の綺麗じゃ無い只の縞々のヘラから選ばなくっちゃ~。と棚に戻る露美に、Rちゃんが『ハイ、誕生日プレゼント♪』
キャ~っ、露美が欲しかった方のヘラをくれるの~?ありがとう~っ!!!
粋なRちゃんでしたっ♪

あれ?さっき自分で買った様なこと書いたっけ?
いいえ、買ってもらったのでしたっ!

ブラブラ散歩してたら、昨日は行くのが遅くて閉まってたふくまる商店。今日は開いてましたっ。で、ジェラード食べました♪めっちゃ美味しいよ!御蔵に来たら食べて見れ~っ。


今日は海ガイドTちゃんがお昼にパンを焼いて来てくれるって言ってましたっ。散歩後、お宿に帰ると届いてたっ。焼き立てパン♪宿のおじさんの畑のスナップエンドウ入りと、シーチキン入りのパン。パン屋さん出来そうな位、美味しかったっ。Tちゃん、ありがとう~っ。写真は撮り忘れちゃった。残念。宿の居間で頂きました!

まだ疲れていたのか午後はお昼寝&おしゃべり。御蔵島には珍しく、ゆっくり過ごせた良い時間でした。


宿の夕飯。昼間ピッチビチ跳ねてたイセエビですっ。一人半分!

御飯を食べながら「おじさんと飲みたいなぁ。」ってRちゃんと。昨日は、おじさん出かけちゃったし、私達も疲れていて早寝しちゃって飲めなかった。ごはんのお盆を持って、おじさん達のお部屋に乗り込もうか?いやいや、御飯中に迷惑かも?だから、御飯は食べ終わってからにしようとか、おしゃべりしてたら、おじさんが居間に来てくれました!わーいっ♪

おじさんによると、イセエビは半分にしないで1匹のまま上手に殻をむいて裸に出来るらしい。その方が美味しいんだってー。でも半匹でもご飯を食べられない位お腹いっぱいだったのに、1匹丸ごとは食べられないなぁ。

そうそう、今回のRさんの大発見なんですが、おじさんの作った明日葉茶。急須で半日位ふやけたやつにちょっと醤油をたらして食べると、めっちゃ良いおつまみだった。アツアツごはんにも合いそう。アクが無くて、甘みがあって、旨みも残ってるの。適度にふやけて歯ごたえもある。えー、捨てるの勿体なーい。と、おばさんに取って置いてもらいましたっ。

宿で出る明日葉は、おじさんが赤沢の畑で作った明日葉です。明日葉茶も、おじさんの明日葉を干して炒って作ってるんだって。大器おじさんは御蔵島と同じ位、赤沢の明日葉を愛しています。明日葉の美味しい食べ方を発見すると、とても喜んでくれるの~。この夜は、焼酎の明日葉茶割を飲みながら、おじさんの子供の頃の御蔵話も聞けました!


むかーし昔、今は客室2部屋の、この宿に、おじさん兄弟4人?と、爺婆、両親、大勢住んでいたんだと。囲炉裏があって、それで暖をとっていたんだけど、おじさんが子供の頃に島で薪ストーブが流行っちゃったと。おじさんは山から薪を集めてくる役を任されちゃった。

1日に背負子に2回、山から薪を集めてきたら遊びに行って良いと言われてたんだと。それで、何とか早く遊びに行く方法を考えた子供の頃の大器おじさん。背負子に薪を集めたら、途中まで背負って来て半分置いて、残りの半分だけ持って帰ったって。そして残りの半分を取りに戻って、薪を2回運んだことにしては海に遊びに行ったんだと。『言われたのは薪2回だったから。』って。

ジャガイモ2つポケットに入れて、お腹がすいたら海で何か取って、海の玉石の間で火をおこして焼いて食べたんだって。夕方までに帰れば、とくに何をしていても構わない時代だったんだって。露美も子供の頃、薪ストーブで、週末に薪を割って壁に積むのがあんまり好きじゃ無かったけど、おじさんは毎日山へ薪集めに行くこの島が嫌でたまらなかったんだって。

周囲を崖に囲まれた御蔵島では里の面積が狭くて新しい家を建てる土地が今でも足りない。『海暗』って、有吉佐和子が書いた、戦後の御蔵島を舞台にした小説が有るんだけど、昔から、長男以外はいずれは島を出ないとならなかったって。大器おじさんは二男。島には高校が無いので、おじさんが中学を卒業した時も、15歳で御蔵島を出る事になった。島を出る船を見送る家族は、長男には『帰ってこいよ~』って手を振るけど、二男以下には『帰って来るな~』って手を振るんだって。自然の厳しい島ならではの旅立ちです。小説では読んでたけど、おじさんもそうやって島を送り出されたそう。でも、その時は『薪集めから解放されて、やっと島を出られる。』って、嬉しかったんだって。全然、悲しくなかったって。

長男のお兄さんは後継ぎとして、島に居る時も大事に育てられたとか。でも島で満ち足りてた人は島に帰りたくならないみたい。お兄さんは跡を継ぎたくないって言ったんだって。反対に御蔵島で、やんちゃしてたおじさんは御蔵が懐かしくてたまらなかったって。御蔵に帰って家を継いでくれって言われた時は、それはそれは嬉しかったって。だけど既におじさんと結婚してたおばさんが島に行きたくないって言って、えらい騒ぎになったとか。今では電気も水道もガスもあるのが当たり前で便利になった、『いや、俺達が便利にしたんだ!』と、おじさん。当時は不便だった。そんな島に行きたくなかったんだって。おばさん、一緒に来てくれて良かった、良かった。おかげで露美は、こんな素敵な宿に泊りに来れるんだものねっ。『俺達が良くした。』って、言える故郷って素敵だねー。

おじさんを呼び戻したお父さんは御蔵島の郵便局長だったそう。島で唯一のお金や保険を担う、郵便局の局長は、今でも村長と並んで責任重大な役職です。ちなみに大器おじさんも郵便局長を引退してから、この宿を営んでいます。実は、小説『海暗』に出てくる、あの郵便局長は宿のおじさんのお父さん、その人だったんです。御蔵島がアメリカ軍の射爆場にされそうになった時、直談判の為、2月の海に裸で飛び込んだ局長です。当時、御蔵には桟橋は無く、沖に停まった東海汽船まで艀を出して乗船してたんだって。桟橋のある今でも冬は、客船が殆ど着岸できないのに、当時、海が荒れる冬は玉石の浜から小さな艀をを出す事が出来ませんでした。東京へ直談判に行くには、冬の海に飛び込んで、沖に停まった東海汽船まで泳がなくちゃならなかったんだって。とても責任感のあるお父さんで、島の皆に頼りにされていたんだって。

そのお父さん、あの激戦、硫黄島の戦いの生き残りなんですって。下士官として硫黄島に居たそうです。とても面倒見の良い人で、常に人の為に心を尽くした人望の厚い人だったそうです。おじさんも『おやじには敵わない。』と言っていました。戦後の軍事裁判では、ちょっとでも名前が上がると、起訴されて裁判を受けさせられたとか。おじさんのお父さんもグアムに連れていかれて軍事裁判を受けたのだそうです。グアムの裁判ではC級戦犯として多くの人が死刑になったそう。でもおじさんのお父さんは人望が厚く、誰も悪く言わなかったので軍事裁判からも生きて帰って来たそうです。戦後、軍事裁判から何年も帰って来なかったので、おじさんとお兄さんは10歳も年が離れているそうです。お父さんが島に帰って来これたから、おじさんが生まれたんだって。おじさんのお父さんは、戦争・軍事裁判から帰ってからも一生懸命島の為に働き、郵便局長を引退してからも、老局長と呼ばれていたそうです。

おじさん『俺は局長を引退しても、老局長とは呼ばれないなぁ。』なんて言ってるけど、やんちゃな、おじさんは島の人に愛されてると思う。鳥の尾に勝手に石碑を建てちゃって、辞世の句みたいの書いちゃっても、何だか皆に許されてるよね?お父さんとは違うけど、おじさんも御蔵には居なくちゃいけない人だと思うよ。一生、やんちゃで居て欲しいなぁ。周りが大変かな?(^o^)。まだまだ色々なお話を聞きたかったけど、おばさんが隣の部屋から、おじさんを迎えに来た。『おじさんに、あんまりお酒を飲ませないで~。おじさん、早死にしても良いなら良いけど~。』 ほら、ここにも、おじさんが必要な人が居るっ♪ 今度は、おばさんの話も聞きに来たいなぁ。

楽しい夜は、あっという間に過ぎましたっ。
明日は帰るのか~。早いなぁ。物足りないなぁ。イルカも足りないっ。

4 件のコメント:

  1. おじさんの貴重なお話満載でとても面白いですね!!
    こういうお話ってとても興味があります。

    ご飯もすごい豪華~(じゅるるるる)
    お茶も美味しそうだっ!
    ガイドさんがパンをって!!!ビックリ\(◎o◎)/!
    すごいですね。島にできたというパン屋さん(まだ行ったことないけど)と関係してる人なのかな?

    あの『ヘラ』私も持ってますよ♪大のお気に入りです。

    新しい橘丸ではご飯が美味しそうってイイデスネ☆

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    1. 湯でイルカさん、おじさん、一緒に飲んだり雨でやる事が無かったりすると昔話を聞かせてくれます。ご飯は凪ぎが続いた後だと豪華な気がします~♪去年からK船長の所に入ったガイドさんが料理好きで海の合間をぬってケーキを焼いたりパンを焼いたりしてくれるんです!新しく出来たパン屋さんは吉祥丸クラブハウス横ですが、今回火水木滞在中には空いてるのを見なかった謎のパン屋、謎パンです。橘丸のレストラン楽しみですっ♪おがさわら丸みたいにご飯が美味しいと嬉しいなっ。

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    2. そう!!おが丸のご飯美味しいですよねーーー!
      船なのに美味しくてビックリしました。

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    3. 長く乗る船は御飯が美味しいと幸せですねっ。今日、7月の御蔵島の船を予約したら、橘丸は今までより値上がりしてました。御飯が美味しかったら許す!

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